しっとりぱん

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2年以上も前から「このデザイナーに箱を頼もう!」と思い続けていたパン屋さんがいたらしく。…電話で突然の依頼を受けた瞬間、照れると同時に、びっくりしてしまった。

仕事との巡り合いは、まったく「ご縁」としか言いようがない。かつてMBCの「どんかご」という1時間番組で、デザイナーやイラストレーターの特集が組まれ、ワタシも出演していた。そこで同時に登場したイラストレーターさんとは、なんだかするすると話せるようになったりして、個々で活動している者同士行き来をするようになった。この「どんかご」で素敵なご縁が出来て、私はものすごく嬉しかった。

そしてその頃、テレビを見る側にこのパン屋さんがいたのだ。

2年以上が過ぎていよいよパンが完成し、パン屋さんはMBCに「あのデザイナーさんに連絡をとりたい」と電話し、ディレクターさんから私へとつながった。「パン屋さんがデザインを頼みたいらしいので、教えてもいいですか?」
突然のお話にも驚いたのだが、場所を聞いてさらにビックリ。ウチから車で10分のご近所でパンを焼いているというのだ。長いことパン不毛の地だと思って暮らしていた。灯台下暗し、とはまさしく。

しかし喜びながらも、なんと根性の悪いワタシ。「パンが美味しくなかったら…どうやって断ろうか…」なんてことを心配していた。自分が美味しいと思えないものにデザインをつけて売ろうとするなんて、買う人に失礼だと思うから。自分の口に合わないという実に勝手な理由なのだから、その時は頭を下げて断ろうと思って覚悟して出かけていった。

しかしそうした思いも杞憂に終わり、かくして3ヶ月後、箱が完成しようやくお披露目。

パンのサイズを計ってモジュール化し、型代・版代節約を考えながらデザインを起こす。宅配の外箱はシンプルな白箱にロゴと取り扱いマークのみを配置、届いた箱を見た瞬間からわくわくしていただけるよう、美味しいパンへと気持ちを盛り上げていけるよう、何度もシミュレーションを重ねて決定。

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これは組み立てる前の箱キット。

肝心のパンは鹿児島唯一の酵素酵母が使われており、その性質としては「とにかく水分をたくわえる」酵母であること。どうしても酵母といえば噛み応えのあるパンを想像するが、驚きのしっとり感が特徴です。食パン1本1.2キロ。そして、口にした瞬間、ネーミングは「しっとりぱん」に決定。

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商品としては箱の種類通り、3つのカテゴリーがありますが、イチオシはパンの素材感がダイレクトに味わえる「しょくぱん」。軽くトーストして普通のマーガリンを塗って食べると、それだけでOK。

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餡を練り込んだパンはその甘味がワタシには強すぎでしたが(砂糖に反応しすぎる舌なのです…これは体質)、母&祖母にはモテモテでした。

念押しのために9月半ば、食のプロである東京の友人(筋金入りのプロであります)に手土産として箱を提げて持っていった。前日焼いてもらった記念すべき「デザイン箱入り商品1号」を「はい、お土産。食パン」と素っ気なく手渡してみた。
仕事の裏でさっそくスタッフそろって食べていたんでしょう。速効で「あのパン、何!どうやって作った!」との反応が返ってきて、パンを焼いたわけでもないワタシは「やったー!」と叫んだのでした。

店頭販売していないため、とりあえずの窓口はHPのみ。
うんちくを語らないあっさりしすぎのHP黒赤白しっとりぱん
ですが…味はご自身でご確認ください。
お使い物としても、ちょうどいいかなと思う次第。


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2007年09月22日 16:28に掲載された表紙の写真です。

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