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解体はじまる!

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「明日から解体はいりますんで!」と、ちょっとニャーニャー声のタニザキセンムから電話が入ったのは、10月31日の夕方頃だった。ついその前日に土地の名義変更にもう少し時間がかかるので、売り主さんとFAXで念書を交わして「事前着工しましょうかね」と話していたので、あっというまに段度ってしまわれたらしい。さすが、「鹿児島田舎物件の赤ひげ先生、古民家再生の匠・タニザキセンム」である。

そんなわけで、その感動の解体スタートを画像におさめるべく、翌1日、朝10時半頃に現場へ着いたら、もう8割方壁なんて無くなっていた。早っ!

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大工さんの様子を見ていると、長いバールでごんごんっと2〜3回叩くだけで次々と壁や材木が外れていく。わずかなすき間を狙ってバールの先をあてて金槌でごんっ!きゅっ!ぱかっ!

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某番組みたいにバリバリーッ!という音をたててという感じではなく、ぽこぽこ軽快に外してゆくのだ。静かな景色の中で、その大きくもない作業の音と、周囲の鳥のさえずり、わずかな風の音がものすごく心地良い。
ビフォーアフターの作業はとっても荒いのかもしれない。あの不安を煽るようなピアノトレモロのBGMもないし、真面目なサザエさんの声が「家族の絆を遮る不安定な段差がきしむのです…」と聞こえるわけでもないし、もたもたする匠の姿もないし。
う〜ん、良い景色だ。

2日の朝にも現場を覗いた。タニザキセンムが残してゆく古材をちゃちゃっと指示したりしていた。再利用しない残材はもちろん将来のお風呂の焚きもんになる。

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こっちはお取り置きの木製建具。敷居などもいったん外して残される。

この古民家担当の大工さんはこれで35件目くらいになるらしい。7年ほど前、このタニザキセンムが「古民家再生をやる」と言い出した時は、「こげんな古かとは、うっこわせばよかがね」というリアクションだったらしいが、今では最強の大工さんチームのようだ。どれが大事なものか、捨ててもいいものか、古民家データの蓄積があるんだろう。その作業をしている雰囲気も、子供の頃にいたような大工さんらしい感じがしてほっとする。

柱と柱の間に補強として入る“筋交い”が一本もない、というのを大工さんが話しながら作業をしていた。それなのに家全体、5ミリもゆがんでいないそうだ。それでも強度が保たれている仕組みを、タニザキセンムがあれこれ天井の組んである部分を指しながら説明してくれたのだが、いかんせん単語が解らないので理解できない。でも金具なしでちゃんと組まれている、だから筋交いがなくても強いんだそうだ。この構造を分かっていないと解体できないんだな、きっと。
その横顔がきりっとかっこよかったので、途中からはインタビューしながらVTRを回したりした。写真も撮らなくてはならない。何をやってるんだか、けっこう忙しい施主である。
まだ二日目なので、さすがにまだ大工さんへのインタビューや、顔写真の撮影は踏み込めなかったが、出来上がってゆく工程を理解しながら残してゆきたいと思う。

国産車プラス軽自動車くらいのお値段で、なんだかほんとに、素敵なとこ買っちゃったみたい…。

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2006年11月02日 14:15に投稿されたエントリーのページです。

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