資料のむこうにある作り手の姿

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仕事をするには良いデータ、資料が欠かせない。一つの仕事が始まるたびに机や床の上に広げられる沢山の資料は、10年ほど前から集めて来た“私好みの資料”ばかり。買った当時はただ自分の好みかどうかで選んだものだったのだが、10年にもなれば一定の方向で集まっていることに気付く。それらが今、確かに私の仕事の方向性と一致しているということはなんという幸せなことだろう。

食、心や身体の健康、美しい暮らし、日本本来の姿、農の現場、そしてデザイン。この辺りが強いジャンルとして集まっている。もちろんそれに加えて、美しいデザイン紙面であるか、写真が素晴らしいか、文章力があるかが重要。
大切なことをきちんと伝える!という意識の高い人たちが作り上げたものは、中身ももちろんだが見せることにも長けている。写真に撮られるモデル(モノ・景色・人など)が魅力に溢れているから、カメラマンのセンスとも相まって良い写真になる。読ませる文章にはライターの力量が感じられる。そんな沢山の素材を元に、デザイン出来た人はどんなに幸せな気持になれたことだろう。一番最初に撮影された写真を見、文章を読める、デザイナーの楽しみはここにある。

しかしここからの作り上げる、という作業自体はものすごくハードで、時間に追われ、小さなミスも許されない。そしてどこまでやったら正解かがない、いくらでも作り込んで行けてしまう終わりのない作業だ。それをどこかで「ここまで」と線を引き、印刷へとまわす。その“線”までの力技をいつもいつも試されている気がする。

資料の山に囲まれ仕事を進めていると、さぁ、あなたも負けないようなものを作りなさいよ、という声が聞こえてくる。


鹿児島・グラフィックデザイ|広告ディレクション